フリーランスの確定申告!源泉徴収票がないけど、どうすればいいの?

今年も残すところあと1か月
年末が近づくにつれて、確定申告の準備を始める方も多いのではないでしょうか。
会社員として会社勤めの経験がある方は、毎年この時期になると、年末調整の書類を作成したり、12月1月の給料明細に「源泉徴収票」と書かれた紙が同封されたりしたことを、覚えている方も多いかと思います。

源泉徴収票を発行してもらえるように、取引先の経理担当者に依頼したら断られた!」
会社員のときは会社から源泉徴収票をもらっていたけど、フリーランスになったらどうなるの?」

今回はそんな疑問にお答えします!

【基本のキ:そもそも「源泉徴収票」ってどんなもの?】

確定申告を進める上で参考にしたい、年収や所得税の納税額などが書かれている源泉徴収票。
では、そもそもこの「源泉徴収票」とは何なのでしょうか。

●会社が個人の代わりに所得税を納税する仕組みが「源泉徴収」

源泉徴収とは、「会社が会社員へ給与を支払うとき、あらかじめ所得税を差し引いて支払うこと」を指します。

会社員は、毎月の給与から所得税が天引きされる代わりに、個人で確定申告を行なったり税金を納めたりといった手間を省くことが出来ます。

会社は、この源泉徴収という仕組みを使って、差し引いた所得税個人に代わってへ納めます。

●今年の給与を元に税金の過不足を調整するのが「年末調整」

毎月の給与から天引きされる所得税は、前年の給与を元に算出されます。

しかし、実際に会社員が受け取る給与は昇給や転職などの様々な要因を受けて上下するため、徴収した所得税に過不足が生じる可能性があります。

この過不足を調整するため、今年1年分の所得税や給与の総額を再計算し、源泉徴収した合計額と改めて比較する必要があります。
この再計算を行なう手続きが「年末調整」です。

そして、年末調整で作成された年間の源泉徴収額や給与などをまとめた票「源泉徴収票」と呼びます。

会社に属す会社員は、この「源泉徴収」「年末調整」という仕組みによって、毎月の給与から適切な所得税を自動的に納税しているんですね。

【フリーランスは基本的に源泉徴収票が発行されない】

フリーランスエンジニア先述の通り、会社に属す会社員「源泉徴収」によって所得税を給与から天引きされ、毎年年末に「年末調整」を行ない納税額の過不足を算出するため、その結果を示す「源泉徴収票」が発行されます。

では、フリーランス個人事業主の場合はどうでしょうか。

結論から申し上げますと、フリーランスで働く方には、基本的に「源泉徴収票」は発行されません。

●言い換えるなら、「フリーランスが受け取る報酬は源泉徴収されない」

しかしながら、「フリーランスは源泉徴収票が貰えない」というと、やや語弊があります。

フリーランスで働く方は、会社に属していないため、所得税の納税も個人で行なわなければなりません。
言い換えるなら、所得税などの税金が天引きされていない(源泉徴収が成されていない)報酬を受け取るわけですから、源泉徴収票が発行されないのも当然と言えます。

フリーランスで働く方は、事業者から支払われた報酬や経費などを元に、所得金額や所得税を自ら算出して管轄の税務署へ届け出ます。
この手続きこそが、皆さんが年末年始にかけて取り掛かる「確定申告」です。

【フリーランスでも例外的に源泉徴収票を受け取る場合がある?】

では、フリーランスが源泉徴収票を受け取る可能性はないのでしょうか?
実は、以下のような場合、フリーランスでも源泉徴収票を受け取る可能性が考えられます。

●副業や掛け持ちをしている人は要チェック!

まず前提として、副業としてフリーランスの仕事をしている人や、掛け持ちによるアルバイトなどの収入を得ている人は、本業やアルバイト先で「年末調整」を行ない「源泉徴収票」を受け取ることが考えられます。

この場合、受け取った源泉徴収票の内容とフリーランスで得た報酬を元に「確定申告」を行ないます。

●依頼された仕事によっては、源泉徴収を受けている場合がある

メッセージまた、フリーランスとして請けた仕事の内容によっては、法律によって事業者側が源泉徴収をしなければならないと定められているものがあります。
例えば、WEBライターとして原稿を作成した場合に得た報酬は、原稿料から所得税が差し引かれた(源泉徴収された)ものとなります。

国税庁のホームページによれば、以下に該当する報酬は源泉徴収の対象になります。

原稿料、講演料、デザイン料などの報酬
弁護士、公認会計士、司法書士など特定の資格を持つ人へ払う報酬
社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル外交員などに支払う報酬
映画、演劇やその他芸能、テレビ出演などの報酬
・宴会などにおいて接待を行なうコンパニオンへ支払われる報酬
契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

■国税庁
– No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
– 1 源泉徴収が必要な報酬・料金等の範囲
– (1) 報酬・料金等の支払を受ける者が個人の場合の源泉徴収の対象となる範囲
※出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.html

●豆知識:「源泉徴収票」の添付は不要!でも入手はしておいた方がいい

フリーランスエンジニアなお、2019年の税制改正により、2020年分の確定申告から、源泉徴収票の添付が不要となりました。
これは、マイナンバー制度が本格的に運用されるようになったことで、マイナンバーを記載することで源泉徴収票がなくとも税務署でデータが確認出来るようになったためです。

しかしながら、依然として確定申告書を作成する際に源泉徴収額を確認する必要はあるため、先述の事例に該当する(源泉徴収された報酬や収入を得ている)場合は、確定申告を行なうまでに源泉徴収票を入手しておく必要があります。

【まとめ】

今回は、「源泉徴収」というキーワードを元に、フリーランスの確定申告について解説しました。
毎年、膨大な書類を準備して挑む確定申告書類の作成
年明けから始めようとするとかなり大変です。
年末までの残り1か月の期間に、源泉徴収に該当する業務がなかったか、1年を振り返りながら確認してみてはいかがでしょうか。

関連記事

TOP
TOP
わずか15秒エントリー